若いうちの節約は、未来の金持ちへの仕送り

「人生のお金を、生きているうちに使い切る方法」のレッスン 2 / 5・約5分

20代のパーキンスは、1000ドルの貯金を上司に叱られました。同じお金で買える経験が年齢とともに減っていく仕組みと、いつ使うかの判断軸が分かります。

このレッスンで学ぶこと

  • お金の価値は年齢で変わる

レッスンの内容

1000ドルの貯金を叱られた

20代のパーキンスは、年収1万8000ドルの事務員でした。切り詰めて1000ドルを貯め、それが自慢でした。

ところが上司のジョー・ファレルは「すぐ使え」と言います。「年を取れば、今よりずっと稼ぐのに」。

貧しい自分から、豊かな自分へ

1000ドルは、当時の年収の約5.6%。収入が増えた40代には、同じ額の重みはずっと小さくなります。

若いうちに我慢して貯めるのは、貧しい今の自分から、豊かな未来の自分への仕送りです。

25歳の毎月の貯金

問題:年収300万円の25歳が、旅行も趣味も削って毎月貯金しています。40歳の年収は600万円の見込みです。ファレルの指摘に近いのはどれでしょう?

  1. 収入の少ない今から、多い未来へお金を回している(正解)
  2. 若いほど複利が効くので、いちばん得な使い方だ
  3. 収入が減る万一に備えた、いちばん堅い配分だ

解説:収入は年とともに増えるのがふつうです。少ない今の収入から我慢して貯めると、豊かになった未来の自分に仕送りする形になります。

経験に要る3つ

経験には、お金と時間と健康の3つがそろう必要があります。

若いころは健康と時間があってもお金が足りない。老後はお金と時間があっても、健康が減っていきます。

老後は3つの時期に分かれる

パーキンスは老後を、元気に動けるゴーゴー期、70代ごろのスローゴー期、80代以降のノーゴー期に分けます。

同じ100万円でも、ノーゴー期に買える経験はぐっと減ります。

○か✕か

○か✕か:定年後は時間もお金もそろうので、人生でいちばん経験にお金を使いやすい時期だ。

答え:✕。時間とお金はそろっても、健康が減っていきます。70代のスローゴー期、80代のノーゴー期と進むほど、同じお金で買える経験は少なくなります。

大きなリスクは若いうちに

パーキンスの9つのルールの1つは「大きなリスクは若いうちに取れ」です。

若いうちは失敗しても稼ぎ直す時間が長く、失うものも少ない。だから挑戦の損が小さくすみます。

28歳と50歳の起業

問題:28歳の独身と50歳の家族持ちが、同じ額の貯金で起業を考えています。パーキンスが若いほうに挑戦を勧める理由はどれでしょう?

  1. 失敗しても、稼ぎ直す時間が長く残っているから(正解)
  2. 若いほうが、起業の成功率そのものが高いから
  3. 若いほうが、失敗しても世間の目が甘いから

解説:成功率が上がるわけではありません。外れたときに取り戻す時間があり、守るものも少ない。同じ失敗でも、損の重さが年齢で変わります。

冬のボーナス、どうする?

たとえば20代の冬のボーナス。全額を貯金に回すか、一部で行きたかった旅に使うか。

パーキンスの基準は、その経験に今の体と時間が合うかです。合うなら、待つほど価値は減っていきます。

27歳のスキー旅行

問題:27歳、冬のボーナスが30万円。行きたかった雪山のスキー旅行(10万円)を「50歳で余裕ができたら」と延ばすか迷っています。パーキンスの基準に近いのはどれでしょう?

  1. 体が合う今行くほうが、経験の価値は大きい(正解)
  2. 50歳のほうが収入が多く、経験の価値は大きい
  3. どちらで行っても、旅の価値は変わらない

解説:スキーは体を使う経験です。50歳ではお金に余裕があっても、同じように滑れるとは限りません。体と時間が合う今のほうが、同じ10万円で多くを受け取れます。

今日のまとめ

  • 若いうちの我慢した貯金は、豊かになる未来の自分への仕送りになりやすい
  • 経験にはお金・時間・健康がそろう必要があり、老後は健康が減っていく
  • だから大きな挑戦や体を使う経験は、早い時期に回す

今の100万円と70歳の100万円

問題:同じ100万円を、今の自分に使うか、70歳の自分に回すか。パーキンスが今の自分に使うほうを勧める理由として、正しい組み合わせはどれでしょう?

  1. 未来の自分は収入が増え、70歳では健康が減るから(正解)
  2. 未来の自分は収入が減り、70歳では物価が上がるから
  3. 今の自分は時間が多く、70歳では年金が減るから

解説:おつかれさまでした。お金の価値は、それで買える経験の量で決まり、その量は健康と年齢で変わります。では、早く使った経験は、そのあと何を残すのでしょう? 次は、パーキンスが行かなかったヨーロッパ旅行と、友人ジェイソンがその旅から受け取り続けた「配当」の話です。

用語

ゴーゴー期(Go-go years)
引退後、まだ体が元気で、旅行や活動を思いきり楽しめる時期。
ノーゴー期(No-go years)
80代以降。体が思うように動かず、お金があっても使い道が限られる時期。
スローゴー期(Slow-go years)
70代ごろ。動けるが、体力の衰えで遠出や激しい活動が減っていく時期。