変化の正体
「人生をたった1日で変える方法」のレッスン 2 / 6・約8分
変化の入口として、意志力より環境と自己イメージが効く理由を短く学びます。
このレッスンで学ぶこと
- アイデンティティと変化の法則
- 目的論と隠れたゴール
レッスンの内容
1月のジムは、2月に空く
新年の目標は8〜9割が挫折する、という研究があります。1月に混み合ったジムが2月に空くのは、もはや定番ですよね。
ダン・コーは、原因は意志の弱さではなく狙う場所のずれだと指摘します。
変える場所は2つある
変化に要るものは2つ。行動を変える行動レベルと、自己像を変えるアイデンティティレベルです。
多くは前者だけを狙いますが、ダン・コーは後者が先に効くと言います。
同じ朝、違う自己像
「インドア派」と「アスリート」を切り替えて、朝6時のランニングを7日続けてみてください。抵抗と意志力のバーと、何日目で止まるかに注目します。
気づき
問題:「自分はインドア派だ」と思っている人が、毎朝6時に走ると決めました。この人の中では何が起きやすいでしょう。
- 自己像とずれた行動なので、毎日抵抗が出て意志力が削られる(正解)
- 最初の3日がきついだけで、そのあとは自然に慣れていく
- 走ること自体の楽しさで、抵抗はすぐに消えていく
解説:抵抗は走る行為そのものより、「自分らしくない」というずれから生まれます。ずれが残る限り、毎朝同じだけ意志力を払うことになります。
ボディビルダーは我慢している?
食事をきっちり管理するボディビルダー。すごい我慢に見えますが、ダン・コーの見方は逆です。
彼らが無理をするのは不健康に食べるほう。社長なら、目覚ましを無視して寝ているほうが苦痛です。
抵抗は、自己像で向きが変わる
抵抗は行動そのものからではなく、「自分らしさ」とのずれから生まれます。
だから自己像が変わると、運動とサボりのどちらに抵抗がかかるかが逆転します。
逆向きの抵抗
問題:ボディビルダーが、ジャンクフードを好きなだけ食べる日のほうにストレスを感じるのはなぜでしょう。
- 太ると大会で不利になる、と知識で分かっているから
- 不健康に食べることが、自分らしさと食い違う行動だから(正解)
- 鍛えた体が、脂っこい食事を受けつけなくなったから
解説:抵抗は、自己像と行動のずれから生まれます。彼らの自己像では、不健康に食べるほうが「らしくない」行動です。
痩せたら、また楽しめる?
「体重を落としきったら、また人生を楽しめる」。ダン・コーはこう言う人の減量を信じません。
痩せた人の生活を一生続ける気がなければ、元の体重に戻るからです。結果を生む生活を、手に入れる前から送る必要があります。
○か✕か
○か✕か:新しい習慣が続かないのは、単純に意志力の量が足りないからだ。
答え:✕。意志力が尽きたのは事実ですが、原因ではありません。自己像とずれた行動だから、1日あたりの消耗がそもそも大きかったのです。
すべての行動には狙いがある
ダン・コーは、すべての行動には目的があると言います。目的論と呼ばれる見方です。
歩くのはそこへ行きたいから。鼻をかくのは、かゆみを消すためです。
先延ばしの本当の目的
仕事を先延ばしにする人は「自分には規律がない」と言います。
でも実際は、仕上げて人に見せたときの評価から身を守るという隠れたゴールを、きちんと達成しています。
「辞めたい」と言い続けながら、先の見えない仕事を何年も続けて
問題:「辞めたい」と言い続けながら、先の見えない仕事を何年も続けている人がいます。行動から見て、この人が実際に追っている目的に近いのはどれでしょう。
- 安定と、失敗した人に見られないための言い訳(正解)
- よりよい転職先を、時間をかけて慎重に探すこと
- 今の職場で、いつか昇進するチャンスを待つこと
解説:ダン・コーの例では、本人は「勇気がない」と思っていても、行動が追っているのは安全と予測できる毎日、そして失敗者に見えないための言い訳です。
変えるべきは、目標そのもの
ダン・コーは、本当の変化には目標の更新が必要だと言います。
目標は視界を決めるレンズです。何に気づくかを左右するため、古い見方のまま行動だけ増やしても元に戻ります。
ペアを見つけよう
この4つで、2週間で元に戻ってしまう仕組みが説明できます。
2週間で戻る理由
- 新年の目標は8〜9割が挫折する。意志の弱さではなく、狙う場所がずれている
- 行動より先に、自己像を変える。抵抗は自己像とのずれから生まれる
- 変わらない行動にも、身を守るという隠れたゴールがある
総仕上げ
問題:同じ「毎朝のランニング」なのに、続く人と3日で止まる人がいます。差を生んでいるのは何でしょう。
- 行動を押し通す意志力が、もともと多いかどうか
- その行動が、自分らしさと食い違っていないかどうか(正解)
- 立てた目標が、具体的な数字になっているかどうか
解説:おつかれさまでした。食い違いがなければ、抵抗も消耗も小さいまま続きます。では、その「自分はこういう人間だ」は、いつ誰が作ったのでしょう。次は、子どもの頃の生き残りの作戦が、そのまま性格として固まっていく仕組みを見ます。
用語
- 目的論(Teleology)
- 行動には目的があるという見方。原因でなく狙いで説明する考え方。
- 行動レベル(Behavior level)
- 「何をするか」を変える表面の層。ジムや早起きなどの行動自体。
- 隠れたゴール(Hidden goal)
- 本人が無意識に追う狙い。言葉とは別に、行動が得ている成果。
- アイデンティティレベル(Identity level)
- 「自分はどういう人間か」という根本の思い込み。行動の奥にあり、何に抵抗を感じるかを決めます。