窓のない船では、動いているか分からない

「相対性理論」のレッスン 2 / 20・約4分

地球が猛スピードで動いているのに感じないのはなぜでしょうか。ガリレオの船の例で「動いている」意味を考えます。

このレッスンで学ぶこと

  • 動きは見る人で変わる

レッスンの内容

窓のない船

相対性理論は、「動いているとはどういうことか」という疑問から始まります。

終わるころには、なぜ地球の猛スピードを感じないのか説明できるようになります。

窓のない船

新幹線を想像してみてください。時速300kmで走る車内で、ボールを真上に投げます。

窓のない船

問題:時速300kmの新幹線の中で真上に投げたボールは、どこに落ちるでしょうか。

  1. 自分の手の中(正解)
  2. 自分より後ろの床

解説:その通りです。ボールも新幹線と同じ速さで進んでいるからですね。

窓のない船

約400年前、ガリレオも船で同じことを考えました。窓のない船室で水滴を落としてみます。

窓のない船

止まっている船でも進んでいる船でも、中の様子はまったく同じです。

つまり、窓がなければ船が動いているのか止まっているのか分かりません。

窓のない船

ただし、これは速さが一定のときだけです。車の中にあるカップの水面を見てください。

窓のない船

水面が傾くのは速さや向きが変わるときだけです。まっすぐ一定の速さなら、止まっているのと区別できません。

これを相対性原理と呼びます。一定の速さで動く人には、物理のルールがまったく同じように働きます。

どちらが本当?

では、ボールを外から見るとどうなるでしょう。遅めの電車で、視点を切り替えてみてください。

どちらが本当?

車内からは真上ですが、ホームからは山なりですね。同じボールなのに、道筋が違います。

どちらかが間違いというわけではありません。動きは、誰から見るかで変わります。

どちらが本当?

宇宙に2機の船が浮かんでいるとき、どちらが動いているのかも決められません。

どちらが本当?

地球も秒速約30kmで太陽を回っていますが、速さはほぼ一定で、向きもごくゆっくり変わるので感じません。

どちらが本当?

問題:窓のない電車が一定の速さで走っています。車内で実験をすれば、走っていると分かるでしょうか。

  1. どんな実験をしても分からない(正解)
  2. ボールを投げれば分かる
  3. 振り子を使えば分かる

解説:その通りです。一定の速さなら、止まっているときとまったく同じ結果になります。

速さの足し算

もう1つ、当たり前に思えるルールがあります。速さは足し算ができる、というものです。

時速300kmの新幹線の中で、前へ時速100kmでボールを投げると、外からは時速400kmに見えます。

速さの足し算

  • 一定の速さなら、中にいる人には動いていることが分からない
  • 動きの見え方は、誰から見るかで変わる
  • 普通の物の速さは、足し算ができる

速さの足し算

ところが、この足し算が通用しないものが1つだけあります。それが光です。

用語

相対性原理(Principle of relativity)
一定の速さで動く人には、物理のルールがどこでも同じに働くという原理です。