電気を流したら、顔が現れた

「脳科学入門」のレッスン 1 / 10・約2分

脳のある1点に弱い電気を流すと、見ていたボールの上に顔が浮かびました。脳に「顔の担当」がいることを、日本で行われたこの実験から体験します。

このレッスンで学ぶこと

  • 顔だけを受け持つ脳の場所がある

レッスンの内容

人混みで、友だちの顔に気づく

人混みでも友だちの顔は一瞬で分かりますよね。脳全体が動いているのでしょうか、それとも顔の担当がいるのでしょうか。 脳のどこが何をしているか調べるのが脳科学です。

脳の表面に電極を置く

治療のため、26歳の日本男性の脳に電極が置かれました。 MITの教授は、彼が顔や文字を見たときの電極の反応を調べました。

この場所の仕事は?

問題:男性が写真を見ると、ある電極だけが顔の写真に強く反応し、文字や物には反応しませんでした。この場所の役割は何でしょう。

  1. 顔を見分けること(正解)
  2. 文字を読むこと
  3. 目に入った物をすべて見ること

解説:顔にだけ反応したため、顔の仕事に関わっていそうです。ただ、本当に顔専用なのかは、これだけでは分かりません。

その電極に、電気を流すと?

電極は反応を測るだけでなく、電気を流してその場所を動かすこともできます。 電気を流したとき、男性に何が見えたか試してみましょう。

物はそのまま、顔だけが現れた

箱を見ている男性は「顔が見えた」と答えました。箱の形はそのままで、顔だけが重なって見えたのです。 この場所を顔の地区と呼びます。

あなたの脳にも、同じ場所がある

教授は、脳の動きを外から測る装置を使い、顔だけに働く場所を発見しました。 耳の高さの脳の底にあり、ほぼすべての人に存在します。

○か✕か

○か✕か:電気を流すと見え方が変わったのだから、この場所は目に入る物すべての見え方を作っている。

答え:✕。見ている物の形や色は変わらず、顔だけが重なって見えました。そのため、ここは顔だけを受け持っているといえます。

担当は、顔だけではない

脳には景色や言葉、音楽、他人の気持ちを考える専用の場所も存在します。 脳は専門の担当が集まった地図のようなものです。

今回のまとめ

  • 顔の写真だけに反応する脳の電極が見つかった
  • 電気を流すと、物の上に顔だけが重なって見えた
  • この顔の地区は、ほぼすべての人の同じ位置にある
  • 脳には言葉や音楽など、専門の担当エリアが集まっている

仕上げの確認

問題:実験で、ある場所が「顔だけ」を受け持つと判断できた一番の理由はどれでしょう。

  1. 電気を流すと、物はそのままで顔だけが現れたから(正解)
  2. 顔の写真を見たときに、そこが強く反応したから
  3. 電気を流すと、何かが見えたと答えたから

解説:お疲れ様でした。電気を流して見え方を変え、顔だけが現れたことが決定的な証拠でした。次は、脳を調べる方法ごとの違いを見ていきます。コースの終わりには、脳の役割分担を自分の言葉で説明できるようになりますよ。

用語

電極(Electrode)
脳の表面に置く小さな金属。脳の電気活動を読み取ったり、弱い電気を流して刺激を与えたりできます。
脳科学(Neuroscience)
脳のどこが何をしているかを調べる学問。見る・話すなどの心の働きが、どの仕組みから生まれるかを解明します。
顔の地区(Fusiform face area)
顔を見たときに強く働く、脳の底にある小さな場所。ほぼすべての人で同じ位置にあります。