50%減でも、減ったのは1人

「統計に騙されないための数字の読み方」のレッスン 1 / 13・約2分

「リスク50%減」の広告を、1,000人の点に戻して見直します。数字を見たときに最初に聞く一言が手に入ります。

このレッスンで学ぶこと

  • 割合と人数

レッスンの内容

統計とは?

天気予報の「降水確率30%」、ニュースの「内閣支持率」、広告の「満足度92%」。どれも統計です。

たくさんの出来事を数え、1つの数字に縮めたもの。縮める時に何かがこぼれ落ちます。

「リスクが50%減」

SNSの健康習慣の広告に「この習慣で病気のリスクが50%減」とあります。半分になるなら、すごい効果に聞こえます。

でもこの一文からは、何人が助かったのかが分かりません。

同じ変化を、2つの見せ方で

「50%」と「1,000人」を切り替え、赤い点が何人の中にいるか見てみましょう。

1,000人中2人が、1人に

たとえば元の調査で、習慣のない人は1,000人中2人、ある人は1,000人中1人が発症していたとします。

2人が1人に減ったので「50%減」という計算自体は正しい表現です。

割合は、土台を消す

「50%減」は元の2人を元にした割合です。1,000人中2人でも100人中40人でも同じ50%減。

割合を見たら、何人中の何人かに戻すと本当の規模が見えます。

考えてみよう

問題:薬の副作用が1万人中4人から2人に減少。「副作用50%減」の解釈で正しいのは?

  1. 計算は正しく、減ったのは1万人中2人(正解)
  2. 計算は正しく、1万人中5,000人が守られた
  3. 計算は誤りで、本当は2人減と書くべき

解説:4人が2人なら半分で計算は正確です。でも元は1万人中4人。助かったのは2人で5,000人ではありません。

○か✕か

○か✕か:割合の計算が正しければ、その数字だけで効果の大きさまで判断できる。

答え:✕。千人中2人が1人になっても、百人中40人が20人になっても同じ50%減。元の人数を見ないと効果は分かりません。

最初に聞く一言

  • 統計は、たくさんの出来事を1つの数字に縮めたもの
  • 「50%減」は、元の人数を土台にした割合
  • 割合を見たら「何人中、何人から何人へ?」と聞く
  • この一言は入口。出どころ・数え方・平均・調査・因果・偶然にも、同じように問い返していく

考えてみよう

問題:「満足度90%」というポスター。数字の真価を知るため、最初に聞くべきことは?

  1. 何人中、何人が満足と答えたか(正解)
  2. 満足と答えた人が何歳くらいか
  3. 満足と答えた理由は何か

解説:10人中9人でも、1万人中9,000人でも90%です。今日の「何人中?」は入口にすぎません。このコースを終えるころには、会議資料の「平均売上アップ」やニュースの「調査で判明」を見て、どこまで信じてよいかを自分で確かめられます。次は、「歯科医の80%以上が推薦」という歯みがき粉の広告が、なぜ英国の広告審査機関に止められたのかを追います。

用語

割合(Proportion)
土台にした全体のうち、どれだけが当てはまるかを示す数。50%なら土台の半分。
統計(Statistics)
出来事を数え、割合や平均などの短い数字にまとめたもの。